第8回:美容クリニックの「カウンセラー」に要注意――その正体とアウトワードを見抜く
みなさん、こんにちは。レアリゼ銀座クリニック院長の磯野です。
以前、悪徳ボッタクリニックについて解説した回で、「カウンセラー」と名乗る女性には注意しましょうというお話をしました。今回はその補足として、美容クリニックによく存在するこの「カウンセラー」について、改めて詳しくお話しします。
カウンセラーの正体は「セールスレディ」
美容クリニックにおけるカウンセラーの実質的な役割は、セールスレディです。同じ埋没法でも料金の高いプランへ誘導する、いわゆる「アップセル」のプロです。
普通に考えれば医師がカウンセリングを行い、その場でアップセルをすれば良さそうなものです。実際そういうケースもあるとは思いますが、医師が必ずしもセールス上手とは限りません。むしろ私の想像では、口下手でセールストークが苦手なタイプの方が多いのではないでしょうか(笑)。
その点、カウンセラーはその道のプロです。立て板に水のセールストークで、相談者が考える余裕すら与えないまま高額プランへ誘導するのはお手のもの。親身に寄り添うように振る舞って心をつかもうとしてきますし、中には自分の生まれつきの二重を指して「私も実はこのスーパーなんちゃら法でやったんですよ〜。ほらすごく自然ですよね」などと言ってくることもあります。
そりゃ自然ですよね。もともとの二重なんですから。
とにかく彼女たちは話術も演技も達者な、いわばプロの女優です。女優ですから「台本」に書いてあることであれば、ウソでも上手に話してしまいます。
これを言ったら即アウト――100%アウトワード集
どれだけ心をつかまれかけていたとしても、次の言葉が出たら化けの皮がはがれたと思って目を覚ましてください。
① 「あなたのまぶたはこのやり方では二重にならない」(だからこちらの高いプランでないとダメ)
② 「あなたの場合はこのやり方だと取れてしまう」(だからこちらの高いプランでないとダメ)
③ 「あなたはまぶたの脂肪を取らないとダメ」
④ 「埋没法は三回までしかできない」
⑤ 「安いプランは極太の糸を使う」(わざわざ極太にする意味が不明です)
⑥ 「安いプランは腫れる」
特に①〜③は診断に類似した行為です。医師以外がこれを言うことは完全に違法ですので、聞き逃さないようにしてください。
④はこの数年かなり世間に広まってしまった俗説です。大前提として、埋没法は何度でも行うことは可能です。複数回取れてしまった方に対して「また埋没法でやってもまた取れる可能性が高いから、切開法の方が良いのでは?」という考え方であれば正しいです。しかし「4回目の埋没法は不可能」「リスクが高い」という意味であれば、完全にウソです。
考えてみてください。4回目の埋没法を行うのと、切開法でまぶたを切るのとでは、どちらがまぶたへの負担が大きいでしょうか。つまり2〜3回取れた方をさっさと(より高額な)切開法へ誘導せよという「台本」に従っているだけなのです。もしこう言われたら「では他院で埋没でやってもらいますので」と言って席を立ちましょう。
⑤にいたってはもはや意味不明ですが、これも常套句です。中には「29,800円の埋没法で使う糸はこれです」と言ってタコ糸を見せられた方もいるそうです。
「安いプランは腫れる」の裏に潜む深刻な闇
⑥については、実は非常に深刻な背景がある場合があります。これは他の回でもお話しした内容ですが、改めて注意喚起させてください。
ある有名ボッタクリニックでは、セールストークに屈せず最安プランで手術を受けようとする方に対して、「局所麻酔を必要以上に大量注入して必ず腫れさせるように」と現場の医師に指示していたそうです。安いプランで腫れが少なければ「じゃあ私もそれで」と口コミが広がりやすくなる、それを阻止するために見せしめとして意図的にひどい状態に仕上げるというのです。
これはそのクリニックでの勤務経験がある方から直接聞いた話です。信じるかどうかはもちろん自由ですが、もし事実であれば、これは手術の名を借りた暴力以外の何ものでもないと思います。
カウンセリングは録音することをおすすめします
以上を踏まえて、どこの美容クリニックでカウンセリングを受ける場合も、録音することをおすすめします。
相手に断る必要はありません。無断で録音すること自体は違法ではありません。ただし、録音した内容を第三者に不用意に聞かせたり、ネット上にアップしたりすることはトラブルの原因になりかねますので避けましょう。
自分の身は自分で守る。美容クリニックを選ぶ際には、ぜひこの点を頭に入れておいてください。