第5回:美容整形に「向いている人」「向いていない人」とは?
皆さん、こんにちは。レアリゼ銀座クリニック院長の磯野です。
最近は日本でも美容クリニックで何かしらの施術を受ける方が増えていますね。一昔前のように「美容クリニック=手術」というイメージは薄れ、今はボツリヌス注射やヒアルロン酸注入、美肌注射のような手術ではないメニューが花盛りです。その分、受診へのハードルがうんと下がったのは確かでしょう。
注射系と手術系、クレームの差
私の経験上、ヒアルロン酸注射やボツリヌス注射を受けた方で細かい点に不満をおっしゃる方は、まずといっていいほどいません。ざっと思い返してみても、記憶にないくらいです。
一方、手術系の分野になりますと、ごくわずかながらやや細かい点を指摘してこられる方がいます。もちろん、こちらから見て「細かいこと」であっても、ご本人にとってはそうではないわけですから、そういう場合は可能な限り問題の解決に取り組みます。
そうした経験を重ねてきた中で、「性格的に美容整形に向いている人・向いていない人」のイメージが、私たち医師側にははっきりと見えてきました。
整形に「向いていない」タイプとは?
あらかじめ申し上げておきますが、ここで「向いていない」と言っても、整形をあきらめた方が良いという意味では基本的にありません。ただし、中には相当慎重になった方が良い方や、医師・クリニック選びをより念入りに行った方が良い方もいますので、順を追って説明していきます。
① 完全な左右対称・イメージ通りにこだわるタイプ
顔や体の手術は、金属や木材を使った工業製品づくりとは根本的に異なります。何かを1mm変えようとしても、結果が必ず1mm変わるわけではありません。0.8mmにとどまることもあれば、1.2mm変わってしまうこともあるのです。
もちろん、狙い通りの変化が得られることもあります。しかしそれは、ほぼ偶然の産物と考えた方が正確です。これは決して言い訳ではなく、手術とはドンピシャを狙うものでありながら、狙ってドンピシャを出すことが極めて困難なものなのです。
この点を事前にしっかり説明しておかないと、「左右が同じになっていない、おかしい!」というトラブルにつながります。
美容クリニック業界で知らぬ者はいない、あるカリスマドクターの言葉が非常に含蓄があるのでご紹介します。
「事前に言うのは説明、後から言うのは言い訳」
この言葉は、これからも肝に銘じていきたいと思います。
② 良くなった点に目を向けず、気になる点を探し続けるタイプ
これは二重の埋没法の後にたまにあるのですが、全体としてはきれいな二重になっているのに、わざわざ変な目つきをして気になる点を見つけ出すことに熱心になってしまうタイプです。
「普通にしているときはいいんですけど、目を半開きにしてこうやって下を向くとここの部分が……」というような方です。
私はそんな時、「今あなたがやったその顔、年に何回くらい人前でやりますか?」と聞くことがあります(笑)。要は、気になるというよりも、わざわざ気になる状態を編み出してしまっているのです。それではせっかくの手術も、良い結果を喜ぶことはなかなかできませんよね。
③ 現実とかけ離れた変化を望むタイプ
共通する要素が全くない他人の顔と全く同じにしたい、というケースです。もっとも、こういった方は最近ではほとんど見かけなくなりました。
整形に「向いている」タイプとは?
ずばり、ここまで説明したタイプと正反対の方です。
つまり、細かいことは気にせず、ちょっとやそっとのことなら「まあいっか」と流せるタイプ。こういった方は何をやっても満足度が高い傾向があります。
長年にわたってさまざまな美容手術を受けてきた方は、たいていこのタイプではないかと感じています。以前に受けた手術の内容もよく覚えていないくらい細かいことを気にしない方は、手術に向いているのです。
医師側の責任として
色々と解説してきましたが、結局のところ、ドクター側がしっかりと説明を行い、「できないことはできない」「止める時は止める」という姿勢を貫くことが、医師と患者さまの間のすれ違いを防ぐ上で最も大切なことだと考えています。